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胃拡張-捻転のイヌの心筋虚血

Myocardial ischemia in dogs with gastric dilatation-volvulus
Journal of the American Veterinary Medical Association
Vol 181, No.4 363-366 1982

W.W. ミューア、DVM, PhD, & S.E.ワイスブロード、VMD, PhD

オハイオ州立大学(43210 オハイオ州コロンバス、1900 コフィー・ロード)獣医臨床学科・獣医生理薬理学部(ミューア)ならびに獣医病理学部(ワイスブロード)より マーク・モーリス財団からの助成金により一部支援を受けた。


要約
胃拡張-捻転のイヌの13症例のうち、不整脈および心筋性壊死の組織学的所見がともに認められたものが8例あり、心筋変性壊死があり不整脈のない1例、不整脈があり組織学的変化のない2例があった。2例はいずれも観察されなかった。不整脈には心室頻脈および融合収縮を伴う発作性心室頻拍が最も多かった。
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イヌの胃拡張-捻転(GDV)が進行すると、合併症としてしばしば心肺機能の低下がみられる。静脈還流の低下の主因には、ガス、液、食餌で充満した胃による尾部大静脈と門脈の圧迫が考えられている(トドロフおよびヴァンクライニンゲン)。心電図、血行動態および血管造影の観察により、静脈還流、中心静脈圧、動脈圧、1回拍出量、心拍出量の低下および心拍数の増加が報告されている(ウィンフィールドおよびマーキュリー)。これらの血行障害の結果として循環性ショックを発症し、有効循環血流量の低下、酸素供給能の低下、嫌気性代謝への移行、さらに終局的には細胞死に至る。これらは圧迫要因の外科的除去や内科的治療の後にもしばしば持続する。

GDVにおける不整脈の進行は、酸塩基および電解質の異常、自律神経機能の失調および心筋虚血が要因とされている。イヌのGDVの症例では虚血の形態学的証拠はいまだ報告がない。本論文では、臨床例における心筋の病変と不整脈との関連を報告する。

試料と方法
死亡、もしくは胃拡張および胃捻転(部分あるいは完全)のため安楽死させたイヌ13例の心を用い、心筋虚血に伴う巨視的および組織学的変化を観察した。心試料は肉眼観察の後、中性の10%ホルマリン緩衝液にて浸漬固定した。いずれの試料についても左右の心室、心室中隔、左右の心房の切片標本を作製し、組織学的に評価した。(中略)

成績
肉眼ではいずれの心試料においても病変は認められなかった。顕微鏡でしばしば観察された病変は、細胞核濃縮の不規則な多発および好酸球の増加であった。重篤な病変では、染色核の欠損と細胞内石炭沈着が見られた。これらの病変は心筋の変性および壊死と鑑定され、うち4例には細胞性の浸潤や増殖を伴わなかった。5例においては変性壊死領域に組織球およびマクロファージの増殖を認めた。うち3例では、間質腔において好中球を認めた。さらに1例では心筋の変性壊死病巣に組織球およびマクロファージを認めるものがあった。(中略)

考察
観察により、心筋虚血によるさまざまな臓器的および組織学的異常がイヌのGDVに合併して生じることが示された。病変組織には経時変化による多様化が見られた。変性および壊死は発症5時間に見られる虚血の初期病変であり、しばしば石炭化を伴う。壊死部の食作用および好中球の浸出は虚血後5~6時間で見られる。線維芽細胞の出現は4日後、結合組織の出現は9日後に認められる。同等の心筋病変はラット、ウサギ、イヌにおいて、出血性ショック、低血圧ショック、冠動脈の一時的閉塞とその後の再灌流、イソプロテノールの腹腔内あるいは皮下投与により誘発されている。(中略)

イヌの胃拡張の症例では、洞頻脈による静脈還流の低下と低血圧の出現が報告されている。洞頻脈と心不整脈は心筋の酸素需要を著明に亢進させることがあり、これに心拍出量、拡張期時間および動脈血圧の低下による冠灌流の不全が伴う。その結果、心筋に酸素欠乏をもたらし、重篤な例では心筋の壊死を生ずる。したがって、血行動態の障害の持続時間と規模は、心筋の組織学的異常の進行を決定する要因である。

イヌGDVに伴う心不整脈の重要性を指摘する報告がある。イヌGDVにおける心筋虚血と不整脈の進行との関係はいまだ推測の域を出ない。本研究では組織学的病変のみに起因する不整脈の出現についての決定的な証拠は得られらかった。細胞性の変性と炎症が貢献因子であることは、イヌNo.1,2において不整脈がみられず、イヌNo.5~13では見られることから、示唆されている。組織学的病変のないイヌNo.3およびNo.4にはいずれも不整脈が認められ、組織学的病変のあるイヌNo.5には不整脈は認められなかった。不整脈には、麻酔、交感神経系の緊張、酸塩基および電解質の状態、および血中心筋抑制物質などの他の要因を考慮する必要があろう。

心不整脈の進行の基本的な機序と考えられているのは、電気伝導と自律性の異常、もしくはこれらの複合である。不整脈亢進の主な細胞電気生理学的因子としては、(1)静止膜電位、(2)心筋活動電位の脱分極の上り相(第0相)における干渉、(3)活動電位の持続時間の著明な短期化もしくは長期化(再分極の不規則性)および副組織におけるペースメーカー活動の亢進もしくは進展(自発的拡張期脱分極)、などが知られている。イヌの最近の実験においても、一過性の心筋虚血の結果として本研究と類似のプルキンエ線維と心室の筋活動電位の異常が報告されている。また心筋虚血のイヌから切除して体外で調べた心内膜下のプルキンエ線維においても、48時間にわたって自発的拡張期脱分極と自律性インパルスの発生が観察されている。心室筋細胞の心室性不整脈への関与については現在のところ証拠は得られていないが、ピルキンエおよび心室筋細胞の活動電位の持続時間の変化、とりわけ活動電位の延長により、誘発された弱いインパルスの再入と発作性心室頻拍を誘導するとの推測がある。イヌGDV症例における心室頻拍の進行に関する他の潜在的な貢献因子としては、心筋壊死による毒性物質の産生、局所的な酸塩基および電解質の異常、および自律神経失調が挙げられる。イヌGDV症例における心室頻拍の進行に関しては、その機序にかかわらず、心筋細胞の損傷をその潜在的な貢献因子として考えるべきである。







 

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