犬の消化管に悪影響を与える栄養素

               大豆成分は、クロストリジウムの餌になる


下記の記述は、「小動物の臨床栄養学第4版」からの抜粋。大豆成分の過剰な摂取が、鼓腸症を惹起させる。死をもたらすのは、の方?腸の方?

鼓腸
鼓腸はや腸の過剰なガスの形成であるが、この用語はしばしば不適切に使われる。

無分別の食餌や一定のペットフード成分の摂取はある個体において危険因子となることがある。

腸のガスは正常でも存在し、3つの原因から発生することが考えられる。空気の飲み込、胃腸内産生、および血液からの拡散。

大量のガスは、あまり消化されなかった炭水化物や繊維が結腸において細菌発酵により形成される。繊維を含むフードは乾物消化性が低下するとすぐに放屁の原因となる。ペットフードに用いられる多くの繊維は結腸細菌叢により発酵され、直ちに放屁の原因となると考えられる。

大量の非吸収性少糖類(例えば、ラフィーノース、スタキオースおよびバーベスコース)を含む食物は大量の腸内ガスを産生しやすい。犬や猫はこのような吸収可能な単糖類に分解するために必要な消化酵素が欠如している。それ故、結腸の Clostridium spp や他の細菌が水素や二酸化炭素産生してこれら糖類を発酵する。大豆、豆およびエンドウ豆は吸収できない少糖類を大量に含む。

食物の蛋白質あるいは炭水化物の原料を変更することは一部の動物で有効となることがある。例えば、トウモロコシ、鶏肉および大豆を含有する市販のドライフードから、羊肉、米および大麦を含有するドライフードへの変更が役立つことがある。

一般に、過度の鼓腸を呈する動物には高消化性食物が有効とされる。高い発酵性および非発酵性繊維食物は避けるべきである。大豆を含まない、あるいは異なる蛋白質や炭水化物原料を含む食物への変更は幾例かの動物で有効となる。

栄養素
吸収されなかった炭水化物の過度の発酵は、微生物の過剰増殖やガス(二酸化炭素、水素、メタン)や短鎖脂肪酸の産生を導く。炭水化物の過度の発酵は、鼓腸症、腹部膨満や下痢を引き起こすことがある。炭水化物の消化不良は、微生物発酵の結果、呼気中に増加する水素濃度(呼気中水素分析)を測定することによって知ることができる。

いくつかのマメ科植物(例えば、大豆)はラフィーノースとスタキオースをかなりの量含み、それは消化管の微生物叢によって消化されるが、犬や猫自身の酵素によっては消化されない。報告によればこれらの糖は、微生物発酵によって有害なガスを産生し、消化異常(例えば、鼓腸症)を引き起こす。


  



      ”栄養素は食物でもあり毒物でもある。食べる量によって毒にも薬にもなる。”

                     T.B.von Hohenheim








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ドライドッグフードと鼓腸症との関連性を勉強しています。

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