2009/06/21
ウマの急性胃拡張(鼓腸症)
ウマは機会があれば、AGDとその後の胃破裂を起こす時点まで穀粒を飽食することが古くから知られている。ウマが嘔吐することは稀であり、胃クライシスの時にのみ嘔吐する。したがって、この動物種の嘔吐は本質的にAGDの特徴であると見なせる。罹患したウマでは、誘発する食餌から4~6時間後に激しい疝痛の急発症が見られる。臨床徴候には、心拍数や呼吸の増加、発汗、振戦、回転、腹部を蹴る動作、イヌのように臀部で座る姿勢が含まれる。おくび、レッチング及び嘔吐は特徴である。
蠕動は減少するが、胃からの爆発音を聴取できることがある。胃破裂は通常、大弯に沿って起こり、続いて不安、著しい発汗、発熱、死亡が起こる。スコットランド、英国及びスェーデンでは、牧場のウマで発生するAGDは「胃スピロヘータ病」と呼ばれている。これは1909年に最初に報告された。
日本の三冠馬、ナリタブライアンも引退後、胃破裂で死亡している。