サルの急性胃拡張(鼓腸症)

サルの急性胃拡張は、1967年に最初に報告されて以来、39症例記録されている(以降報告はある)。罹患した種には、アカゲザル、短尾ザル、ベニガオザル及びパタスザル(マーモセットも含む)が含まれる。ヒト及びイヌのAGDとは対照的に、捕獲サルのこの疾患を取り巻く状況はそれほど変動がない。飼育、運動、水及び飼料は調節されるが、この疾患は発生する。

胃内ガス貯留と死亡はビスケット型モンキーフードの食後1~15時間に起こる。幽門付近の大弯に沿った二次性胃破裂と皮下気腫がよく認められるが、捻転は報告されていない。本質的に、いずれの症例も呼吸困難と循環血液量減少性ショックの結果として死亡に至る。

1971年に、ベニガオザルが急性鼓腸をきたしたとき直腸内容物からクロストリジウムが分離され、毒素が存在することが証明され、報告された。

1978年に、鼓腸をきたした23頭が10年がかりの検討で報告され、クロストリジウム・パーフリンジェンスが1頭のサルの胃から分離された。

1980年に、ヒヒ種、カニクイザル、アカゲザル、ベニガオザルの4種合計34頭が急性胃拡張を発症し、そのうち26頭につき、胃内細菌叢を研究報告するために微生物学的に検査したところ、21頭の胃内容物からクロストリジウムを検出。与えられていたモンキービスケットからもロストリジウム・パーフリンジェンスA型が検出され、これらのビスケットを正常なサルに餌として与えたところ、急性胃拡張を発症しテストされた全てのサル胃内容物から同細菌を分離することができた。

1981年に、ゲンタマイシン及びフラゾリドンを用いた抗微生物療法後のマーモセットが急性胃拡張を発症し、全部で29頭が5週間の間に死亡した。全てのサルの胃内容物にクロストリジウム・パーフリンジェンスA型が存在することが証明された。抗微生物療法を行った結果生じた胃内細菌叢の変化が、誘発要因とされた。

この29頭のマーモセットは一斉に空気を飲み込み始めたのか?








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