2009/06/11
今日もどこかで鼓腸症 明日はどこでGDV....ワンコが~!(13)
解説これも実話。 登場人物・製品名などは仮名 ワンコと犬男ちゃん
食うてみ編の続きです。
胃袋ポン!編
デン達に大豆を含まないフード、ガススクナイを与えると捻転(鼓腸症)の発生は、ピタ!と収まるようだ。前回の悲劇から14日経過していた。実験的に今度はガススクナイ7:ガスデルデル3の割合で混ぜたものを数頭のデンに食べさせてみた。すると給餌して間もなく1頭に異変。頭を下げてウロウロ、ウロウロ歩きだしたと思うと・・・
ウゲ、ウゲ、ウゲ、オ~エ~!
「ナヌ、嘘やろ!」
食べたフードを吐き出すことができない。餌皿にはまだ少しフードが残っている。
「なんちゅうこっちゃ~!」
苦しそうにヨダレを出し、既に腹部は固く張り、じわりじわりと膨らんでくる。まさに魔の症状だ。直ちに動物病院へ搬送。即効、犬男はエムエム営業担当者に連絡した。
「また、捻転ナった!今動物病院に向かってる最中やけどすぐ来てほしい!」
獣医師が吸引処置をしている最中に担当者がやっと来た。既に麻酔されたデンの口からチューブが胃の中に挿入され、泡立つ胃内容物が吸い出す音とともにビンに中に溜まっていく・・・
ジュルジュルジュル・・・ジュル!
哀れなワンコの姿を目の当たりにさせられた担当者はまさに地獄の瞬間だったに違いない。このデンは吸引処置がいったん成功したが、数時間後再び膨張した。チューブ挿入が不可能であったため今度は開腹手術が施された。幸いその後は回復した。
犬男の犬舎は、まさに魔の実験場と化していた。といっても普通に餌を与えているだけ・・・。
そして数日後、またもや別のデンに悲劇が襲った。
ウゲ、ウゲ、ウゲ、オ~エ~!
「これで決定やな!」
このときも、ガススクナイとガスデルデルの混ぜたものを食べさせていた。すぐエムエムに連絡し、このことを伝えた。すると担当者は、
「犬男さん、もうガスデルデルやったらあかん!・・・」
このデンは膨張が激しいため応急処置をした。右側の腹壁から皮下針を用いて胃の中に差し込んだ。圧迫されたガスが漏れる音が聞こえ、その音と一緒に不快な悪臭がする。数秒のうちに、デンの苦痛は緩和され、一時的に延命できるが胃内容物を排出しない限り、一貫したガスの膨張は続く。直ちに動物病院へ。
このデンは捻転を伴っており吸引処置ができず、緊急手術をすることに。腹部にメスが入り開腹した瞬間、風船状に大きく膨らんだ胃袋がポン!と飛び出してきた。このようなことは過去にも何度かあったが、破裂したときより状況はまだましだ。結局手術は成功したが、元気がなく数日後、死亡した。
つづく