2008/10/11
科学は目撃していた不都合な真実を!
愛犬の命を守るブログ
今日までに、いったいどれだけの数の愛犬達が鼓腸症でその命が奪われたのでしょうか! そして、この「魔の構造」がいつまで続くのか? 現代の科学や医療は、確実に進歩を遂げているにもかかわらず、鼓腸症(急性胃拡張AGD、胃拡張・捻転GDV)がまるで原因不明の未知の病であるかのように紛らわしい議論が展開される結果、飼い主達は困惑し、不特定多数の愛犬が回避する術がないまま 給餌後、不幸にも腹部が膨張し、苦しみや死がもたらされ、この突然の惨劇に遭遇した飼い主達は、驚きとショック そして悲しみに明け暮れています。「家族の一員」でもある大切な愛犬の飼育管理において 我々の情報が少しでもお役に立てばという思いと 危険にさらされている愛犬達の救済を目的として ここにその事実を公表していきます。尚、下記の記述は全て 科学論文・学術書及び実際にあった症例です。また、これらは全て、消費者側の立場に立ち、忠実に要約しています。

原材料がトウモロコシ、大豆、その他化学物質を含有するドライフードを給餌後、苦しみだしたグレートデン。腹部の膨張に注目!
急性胃拡張AGD(Acute Gastric Dilation)は、急激な腹部膨張、空嘔吐、虚脱及び死によって特徴付けられる犬の病気で鼓腸症とも呼ばれ自然界ではめったに起こらない!
文献によると、AGDはヒト・イヌ・サル・ウマ・反芻動物・ブタ・ネコ・キツネ・ミンク・捕獲した野生の肉食動物・ウサギ・ヌートリア・モルモット・ラット・マウスなどにも発生しているとされ、犬では4種類のAGDがあり、AGD、捻転を伴うAGD、破裂を伴うAGD、捻転と破裂を伴うAGD。また、AGDが一旦発症すると 胃の内容物を取り除かない限り 捻転がなくても一貫したガスの膨張が続き その胃は最大でバスケットボールほどの大きさにまで拡大するとされ、死は発症の始まりから2~3時間以内に起こることもあると報告されている。
AGDを発症した犬は、蓄積されるガスや内容物を吐こうとするが嘔吐ができない。これは明らかに閉鎖した噴門を示している。膨張する胃は蠕動亢進から逆蠕動を引き起こす。噴門に対する激しい逆蠕動波は胃破裂をもたらし腹膜炎を起こす。また、逆蠕動波によって噴門周囲の胃体が押されると180°~360°の捻転が生じる。破裂または捻転を伴わない症例でも胃壁の圧迫壊死が同様に重篤な合併症となる。引き続くガスによる胃の膨張によって心臓への血液の環流が物理的に妨げられ、続いて循環血液量減少が起こり、横隔膜に対する圧迫から呼吸困難となり、やがてショック状態に陥り死に至る。
AGDは捻転を伴うか否かに関係なく、致命的で緊急を要する重篤な疾患である。早期に発見し適切な治療を行っても多くの例で死亡するとされている。
大型及び超大型の犬に発症のリスクが高いといわれ、ある疫学研究によれば、グレートデン・秋田犬・ブラッドハウンド・ワイマラナー・スタンダードプードル・アイリッシュセッター・アイリッシュウルフハウンド・コリー・ニューファンドランドなどの犬種が順に上げられ、これらの犬種における捻転を伴った急性胃拡張だけの累積発症率は 年間5.7%とされている。また、クエン酸を保存料として含んでいるフード、大型及び超大型の犬においては 一日一回の大量フード給餌の犬は 急性胃拡張の危険性が最も高く ドライフードをふやかして与えるという給餌方法も危険とされている。
しかし、バセットハウンド・ダックスフンド・ペキニーズなどの小型の犬種でも発症しているとの報告もあり、実際には ほとんどの犬種に起こっている。アメリカでは現在年間4万頭~6万頭の犬に発症しているとの報告がある(日本では、推定18,000例)。大阪府にあるN動物病院ではAGDだけで2003年には63頭、2004年には54頭の症例があったと言われ、シェパード・ハスキー・ビーグル・雑種・レオンベルガー・ラブラドール・Mダックス・シーズー・土佐・ゴールデンレトリーバー・紀州・バーニーズ・ピレネー・パグ・柴・アラスカンマラミュート・マスティフ・コーギー・ボルゾイ・フラットコーテッドレトリーバー、などの犬種が緊急処置を受けた。
科学者達は、市販のドライ(粉)ドッグフードに含まれる高度に加工処理された粗挽き大豆と穀物粒の炭水化物が発酵の気質であることを示唆してきた。研究によれば、正常な犬の70%が胃の中に発酵性の細菌叢クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium Perfringens)を持っていることを示している。この細菌は、別名ウエルシュ菌と呼ばれグラム染色陽性の編性嫌気性細菌でガスえそ菌とも呼ばれている。破傷風菌やボツリヌス菌と同様にクロストリジウム属に含まれ強力な毒素エンテロトキシンを出すことでも知られている。AGDを発症中の犬及び死亡した犬の胃内ガスの分析では、二酸化炭素濃度の上昇及び水素を検出した。「一旦水素が検出された場合、AGDの胃の膨張が嚥下による空気あるいは、唾液と胃酸の化学反応による二酸化炭素ガスと結論付けることはできない」胃内ガスの可燃性質、胃内容物の細菌培養によるクロストリジウムの増殖を確認、そして回収可能な唯一のガス産生菌としてC・パーフリンジェンスを分離し同定された。胃内乳酸値が正常犬の9倍、体外実験による胃内容物の発酵速度が正常犬の3倍、AGD発症犬の胃内容物を用いた実験的再現、この場合における胃内ガス分析による二酸化炭素濃度の上昇と水素の確認及びクロストリジウムの分離、そして、大部分における鼓腸症例の、C・パーフリンジェンスの存在は、C・パーフリンジェンスが主要な病原体として特定されている。さらに、犬の胃機能に関して、4つの異なる給餌試験を1年間行った。この研究によれば、市販のドライドッグフードまたは肉と骨の飼料を毎日1回または3回与えたところ、市販のドライドッグフードを日に1回給餌した場合、食後すぐに胃の拡大が起こっていたことがわかった。剖検からその胃が少なくとも食後2時間続いていたことがわかり、検視時の空の胃の重量測定により、その胃は重く、胃組織に慢性的な変化が起こっていたことが示された。このことから、これらの胃がAGDに罹りやすくなっている胃であることが示唆されている。また、C・パーフリンジェンスと発酵しやすい餌の役割については、サル及びマーモセットの研究でも裏付けられている。前者の研究では、AGDを発症した24匹のサルのうち21匹の胃の内容物からC・パーフリンジェンスが検出された。C・パーフリンジェンスは11ロットの餌(穀物と大豆をベースにしたモンキービスケット)のうち5ロットからも検出している。後者の研究では、マーモセットにゲンタマイシンとフラゾリドンを用いた療法の後5週間の期間に29件のAGDの発症があり、実施された剖検では、25匹全ての胃の内容物からC・パーフリンジェンスA型が検出された。また、前述の研究よりも以前、犬における豆類気質と腸内細菌が関与するガス産生が示されている。この研究では、生体内及び試験管内での実験により、食餌中におけるガス産生能力が測定された。テストされた飼料は市販の豚肉と豆(白インゲン)の混合、そして大豆を含むドライドッグフードが比較された。実験の結果、大豆を含むドライドッグフードが試験管内及び十二指腸・小腸・大腸において、ガス産生能力が非常に高いことが示された。また、ガス産生は抗生物質及び静菌剤によって完全に抑制されること、大豆を含むドライドッグフードを腸内に注入した場合、嫌気性牙胞形成性の細菌が増殖したことを観察している。予備的に行った実験では、C・パーフリンジェンスに大豆を含むドライドッグフードを混合させると大量のガス(事件)を産生した。
NPO日本愛護クラブ
コメント
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2010/08/22 22:42 by 編集