2015/02/23
鼓腸症
愛犬の胃が!腸が!・・・マークモーリス研究所の小動物の臨床栄養学第4版によると、
「大豆は有害なガスを産生し消化異常、例えば、鼓腸症を引き起こす・・・。」
と、明記されている。
そして、大豆を含有するドライドッグフードの強制給餌(強要)により、次々と鼓腸症の犠牲となっている・・・。

ドライドッグフード(原材料に大豆を含有する)を給餌後、腹部が膨張し苦しみだしたマスティフ。
動物病院へ搬送、到着直後の様子。
【発症犬の数】
米国では年間、約4万頭~6万頭もの犬が発症しているとの報告がある。
【鼓腸】
鼓腸(症)とは、胃、十二指腸、小腸及び大腸を含む消化器官にガスが過剰に蓄積した状態のこと。また、このガスを医学用語で鼓腸ガスと呼ぶ場合もある。
【犬を殺すガス】
ガスの産生はクロストリジウム・パーフリンジェンス菌の発酵によるものとされ、これらバクテリアの増殖を可能にする発酵基質(大豆を含有するドライフード)の存在がある。ガスの組成としては、健常な犬と比較して、高濃度の二酸化炭素・水素・乳酸値の上昇が確認されている。水素は炭水化物吸収不良の指標とされる。大豆は動物の消化不良を起こすことが報告されており、犬や猫は大豆成分を消化する酵素が欠如している。
【不快な鼓腸】
腹鳴、放屁は肛門からガスが放出されたもの。その他、下痢や血便を伴う場合がある。
【危険な鼓腸】
犬の鼓腸症(事件)は、有害なガス(二酸化炭素・水素)で胃が膨張した症状のこと。合併症として胃捻転や胃の破裂を伴う場合がある。胃内部は大量のガス、泡状で茶褐色の液体、未消化のふやけたドライフード、粘液が確認される。しばしば十二指腸及び小腸全体も拡張している。この疾患のことを、捻転、胃捻転、あるいは腸捻転、とも呼ばれているが、医学用語で、急性胃拡張AGD、胃拡張捻転(症候群)GDVと言う。早期に発見し治療しないと致命的。
【フードの変更】
栄養学的には、「食物の蛋白質あるいは炭水化物の原料を変更することは有効」とされ、「トウモロコシ、チキン、大豆を含有する市販のドライフードから、ラム&ライスのドライフードへの変更が役立つ」とも言われている。
【必須対策】
惨劇は続いている。トウモロコシや大豆などの産業廃棄物(その他、殺処分された犬や猫)を主原料としたドライ製品を与えられている犬は、鼓腸症を引き起こし死亡する危険性があるので、食後よく観察すると同時に、突然の発生に備え、動物病院への搬送及び緊急処置の対応を獣医師に準備しておいてもらう必要があるでしょう。
AGD.