今日もどこかで鼓腸症 明日はどこでGDV....ワンコが~!(3)

                           解説

これは、実際にあったことを分かりやすくまとめたものです。鼓腸 犬男、搬送編の続きです。

捻転大爆発編

犬男は、エムエム商会のガスデルデルをデンに与え始めた。するとさらに、高頻度で捻転(鼓腸症)が発生した。

ある日の朝、一匹のデンがハウスの中で、ぐったりして動けない。よく見ると、腹部が驚くほどパンパンに膨張している、

「わちゃ~、捻転や!」  「おい!立てるか?」

声をかけてゆすってみるが、もうそんな気力はなかった。かすかに息はしているものの、末期症状だ。

「こらあ、もうあかんかもな・・・」

このデンは結局、搬送途中で死亡した。

その後も次々と犬男のデンに悲劇が・・・

ウゲ、ウゲ、ウゲ、 「わ~!捻転や~!」

ウゲ、 「うわ~!またや~!」

「ぎぇ~、死んどる~!」

容赦なく、捻転が襲いかかった。胃が破裂していたり、中には、妊娠中のメスのデンまでもが・・・

そしてある日、処置を終えた獣医から衝撃的事実を告げられる。

犬男さん、いったい何んの餌を食べさせているのですか・・・・?

すると、

「先生もっている、エムエム商会のドライフードですよ・・・」

         ・・・・?・・・・
                  ・・・・?・・・・

犬男さん、餌を変えないとこの状況が、ずっと続きますよ!

「ええ!」

ですよ!・・・・原因は!!

「え、ええ~! 」



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つづく...






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今日もどこかで鼓腸症 明日はどこでGDV....ワンコが~!(2)

                           解説

これは、実際にあったことを分かりやすくまとめたものです。鼓腸 犬男、前回の続きです。

搬送編

「捻転ちゃうんか~!」

ええ~~!

犬男がデンの下腹部両脇腹を押えると、既に固く張っており、まさに、捻転(鼓腸症)の症状だ。

「あかん、やっぱり捻転や!」

またかいなー!

一旦、捻転が発症すると、医療的介入がなければ、デンは死ぬ。

直ちにかかりつけの、わんにゃん病院に搬送した。見る見るうちに、腹部が膨張し、打診すると、小太鼓の共鳴音がする。

ウゲ、ウゲ、ウゲ、時たま、デンが苦しそうにエズク。目は明らかに助けを求めている。

「死ぬなよ~!」  腹部はパンパンに膨張してきた、急げ―!

犬男の所有するデンは全て、優秀な血統と繁殖用で、大切に育てられている。
鼓腸症に遭遇するブリーダーや愛犬家は、この時が一番嫌な瞬間であると言われている。犬男は過去にこのような惨劇が繰り返し起こり、その都度、精神的苦痛を強いられるのだ。連絡で待ち構えていた獣医師により、犬男のデンは急患として扱われた。早期発見と、その後の迅速な処置によって、なんとか一命を取り留めることができた。犬男はいつも獣医には感謝している。しかし、突発的に起こるこのような出費はいつも痛手となる。

「助かってよかったの~~そやけど何でこんなことばっかり起こんねやろうなあ?」 とつぶやいて、デンの頭をなでた。デンと犬男は泣いていた。


火星の偉い人が推奨するドッグフード、エムエム商会の 「ガスデルデル成犬用」 もあるよ!大売り出し中!oooo

火星の偉い人を信じ込んでいる犬男は、ガスデルデルにフードを切り替えてしまう。




 つづく....



今日もどこかで鼓腸症 明日はどこでGDV....ワンコが~!

                            解説

     実録・ブリーダー鼓腸 犬男(こちょう いぬお)物語

給餌編

火星の偉い人が推奨するドッグフード、エムエム商会の 「ガスデル」 キャンペーン中!pppp

オイ、犬男!オマエ ワンコに餌何やっとんねん?

「そら、ガスデルやんけ!これが一番ええんや?テレビで宣伝やってるやろ!?」

ほんまにええんか?

「栄養あるし、食いつきもええし、何ちゅうても火星の偉い人が開発したフードやから間違いないにきまっとるがな?オマエとこもどうや、ガスデル!?」

う~~む、・・・・・・  ワシはどーも信用でけへんのや、犬は肉ちゃうんか!!

「今はみんなコレや!水とガスデルだけで十分?袋にもそう書いとる!?」

そやけど犬男、オマエとこのワンコ、今までぎょうさん死んどるやんけ!!

「おお、この種類の犬(グレートデン)は捻転多いらしいわ!?原因わかれへんねんてえ?みんな言うとる!?」

ワシとこ、今まで一回もないぞ、捻転!

「オレの周りはみんなナっとる、師匠の有崎氏(仮名)は35年間に60回ぐらい捻転ナったて聞いてるし、この間もメスのデンがナって死んでもうたらしいわ...!」

大型犬は捻転が多い言うことやな!?

「そう言うこっちゃ!?いろんなことが原因に関係してんねんてえ???」

                ・・・・・・・・・?・・・・・・・・

Wan Wan Wan Won Won Won Won

並んでいる犬舎のグレートデン10匹が一斉に吠えだすと、犬男が手際よく器に餌のガスデルを入れ、給餌を始めた。
バク、バク、バク、モグ、モグ、モグ、カリ、カリ、カリ、デン達は一気にガスデルを食べた。

犬男とこのワンコは、食いっぷりがえーのー、やっぱりガスデルのフードがええんかなあ!?

「そーや、オレとこの客もガスデルやってるぞ!」 ところが、その客達の犬にも捻転が襲い罹っていたのだった。

給餌が終わって、15分ほど経過した時のことだった。 1匹のデンに異変が....!ウゲ、ウゲ、ウゲ、

・・・・オイ、犬男!コイツ様子おかしいぞ!

「・・・・ん!」

ウゲ、ウゲ、ウゲ、オ~エ!

・・・お!おい!白い泡吐いてエズいとるぞ!

ムニ、ムニ、、、

「・・お!・・」

・・お!・・腹膨らんできたんとちゃうかかかか!

「お!捻捻捻捻・・・捻!!」



 つづく....













愛犬の食餌

厄介な鼓腸症を回避するには、愛犬達に何を与えればいいのか?
この問題を解決に導く論文がある。また、他の犬の病気でも役立つと思う。「野生肉食動物の食習慣:胃内容物の分析に関する総合報告」 にはこのように書かれている。

イヌにはいかなる食餌が適切かについては、獣医関係者間でも見解の不一致が多い。肉・脂の飼料を推奨し炭水化物の必要を疑問視する栄養学者がいる一方、炭水化物の必要を論じ肉タンパク質偏重の弊害を提唱するものもある。さまざまな市販ドッグフードが出現しており、大げさなテレビ広告に獣医関係者やオーナーは困惑しているのが現状である。

肉食動物の食生活には、野生動物の専門家らが捕食者・被食者の関係とその変動の解明のため長年にわたって関心を寄せている。本報告では、胃内容物分析の文献を選んで調査した。この方法は糞便検査よりも多くの情報が得られ、直接観察法によるものよりも報告数が多いからである。

コヨーテ
コヨーテは、農家に経済的損失を与えるため、その捕食行動には多くの研究がある。狩猟や罠による捕獲で研究に利用できる標本数が多く、本種の食習慣はよく調べられている。食餌対象は、齧歯類の摂取が多い一方、ウサギ、シカ、ヒツジ、その他の家畜、マウス及びラット、鳥類、屍肉、植物、昆虫、スイカや柿などとなっている。

キツネ
キツネも家畜に大きな被害をもたらすものと考えられており、コヨーテに並んで多くの研究がある。食生活の分析によれば、簡単に捕食できるものを食する便宜的な肉食動物である。食餌対象は、ウサギ、齧歯類、マウス、ラット、家禽、ヒツジ、屍肉、シカ、小型哺乳類、昆虫、草類、果実などとなっている。

オオカミ
オオカミの食習慣は、その社会的行動によって調節されている。多くの食料は群れの共同作業で捕獲される。比較的大型であることと、群れで狩りを行うことにより、多様な動物を上手に捕食することができる。食餌対象は、シカ、ヘラジカ、バイソンの残骸、カリブー、家畜、屍肉、ウサギ、ビーバー、マウス、齧歯類、などとなっている。
      (以下、論文中にあるネコ科の、ボブキャット、ピューマ、オオヤマネコは省略します)

考察
野生の肉食動物の食生活に関する多くの調査から、自然条件に生息する肉食動物の主要な食餌対象は、他の動物や屍肉であり、ときに果実や草類を含むものであると結論できる。捕食者が大型であるほど被食者も大型となる。オオカミやピューマは大型の動物を倒すことができ、他の小型の肉食動物よりも摂食頻度は少なく、摂食時には大食する。

イヌはオオカミの子孫とされているが、現在の多様な品種の存在は、他のイヌ科動物との交配によってもたらされたものと考えるべきであろう。家畜の犬種の大半は、コヨーテやキツネなどの単独で狩猟する肉食動物に類似した体構造、体格、獰猛さ、及び狩猟能力を有しており、小動物を捕獲し、屍肉を食し、場合により果実や草類も摂食する。

これらのデータは、中型、小型の肉食動物はときに狩猟者として、ときに清掃者として、手に入るものを摂食する動物である、ということを示唆する。解剖学的には、家畜の犬種の消化器系は上述の肉食動物のものと似ている。強い犬歯と消化能力の高い単胃を有し、食道・胃・腸の筋層は厚く、盲腸があり、大腸は単一で囊状ではない。

これらの報告を総じて、旧来の胃内容分析法の限界を考慮しても、肉食動物は自然な環境においては動物性のタンパク質、繊維質、粗飼料(植物繊維ではなく、骨、軟骨、鱗、ヒレ、毛皮、羽、腱、歯などの動物屍体の非もしくは難消化性組織)の摂取量が高く、炭水化物やカロリー密度は低い(野生のウサギ肉の脂肪分は5%に匹敵)と推測するのが合理的と思われる。

野生の中型、小型肉食動物は捕食に努め、休息をはさんで実りのない清掃活動と狩猟活動に勤しみ、一日のうちに(実際には夜間に)何度も摂食していることは疑いえない。胃内容物の分析からは、肉食動物の咀嚼は最少回数にとどまり、丸ごと(つまり消化できない部分を含んで)飲み込むのを好むことがわかる。

野生肉食動物の食習慣についての知見を、家畜の犬種の食餌飼料に生かすべきである。

とされており、大豆などの穀類は食べないことが示されている。




References

Landry SM, Van Kruiningen HJ, Food habits of feral carnivores. A review of stomach content analysis. JAAHA 1979; 15:775-82. 


小型犬の鼓腸症

                   小型犬もあぶない!

R.E.トーマス博士が報告した、「小動物の診療」 第23号によれば、
胃拡張と捻転は生命を脅かす腹部急性疾患であり、もっぱら大型犬にみられる。しかし小型犬の症例報告もあり、これにはダックスフント種とペキニーズ種が多い.... とされている。

この報告では、ミニチュアプードル2例と、スコティッシュテリアが3例の処置内容が記録されている。

また日本国内では、雑種、M.ダックス、シーズー、チワワ、ビーグル、紀州、パグ、柴、コーギー、シェルティーなどの、小型・中型犬の症例報告もあるので くれぐれも 空気?には、注意して下さい。  あ!間違えた!

                       ? ? ? ?


References

---R.E. Thomas, J.Small Anim.Pract, 23(May 1982):271---1530 JAVMA, Vol 181, No. 12





大型犬があぶない!

グレートデンはドイツで国犬と位置付けられている。「ドイッチェン・ドッゲ」と呼ばれ、この犬種を愛する人は多い。

ある研究では、グレートデンはビーグルと比べて相対的に胃腸管の体積(重量)が小さく、消化管の重量比率は大型犬で全体重の2,7%なのに対し、小型犬では7%にも及び、結果として、消化能力や消火器の丈夫さにも大きな開きがある。また、巨大な犬種は口から結腸までの通過速度が速く、より多量の糞便をし、水分及び電解質の含量も高いことなどが明らかになっている。

したがって、犬が大型化するほど餌の種類やそれに応じて、給餌方法が重要になってくる。しかし、ほとんどの大型犬は穀類を主原料とし、大豆を含有するドライフードの食餌を価格と便利さのために与えられており、AGD(急性胃拡張)のリスク増加にさらされている。

ところが、このような見解の学者が存在する。
GDV(胃拡張・稔転症候群)研究で疫学を専門にしている、グリックマン博士は次のようにコメントしている、

圧倒的に危険性の高い犬種はグレートデンです。計算したところ、生後8年の間に、グレートデンは42.4%の確率でGDVを発症することが分かりました。私は、更なる研究の結果、飼い主がどれだけ予防策を講じるかに関係なく、グレートデンはその生涯のある時点において、50%近くの確率でGDVを発症すると考えています。

GDV発症の危険性が低いイヌを選択せず、グレートデンのように危険性の高いイヌを飼うならばGDVに罹患する前であっても予防的に胃腹壁固定術を施すだけの価値があると考えています....としている。

つまり、GDVの原因はイヌにある? 特にグレートデンは危険? 飼わない方が無難? どうしても飼いたいのなら、先に胃を縫い付けなさい?    デンが可哀相....!









呼び名を、犬の急性胃拡張では都合が悪い?

胃拡張捻転症候群(GDV)という呼び名は、1977年に、ミネソタ大学獣医学部のケイウッド&ジャクソン博士らの研究グループが、「イヌの胃拡張捻転症候群における胃内ガスの分析」 というタイトルの論文を発表した頃からよく使われるようになったようで、もともとは、捻転、胃捻転、胃拡張、急性胃拡張(AGD)、鼓腸、鼓腸症と呼ばれ、現在でもこれは変わっていない。

当ブログ上では、これらを総称して、急性胃拡張AGD、あるいは、鼓腸症とも呼んでいる。

生命を脅かす類似の疾患がイヌ以外でも発症しており、ネコや霊長類(人)、反芻動物、ウマ、ブタ、キツネ、ミンク、ウサギ、ヌートリア、モルモット、ラット、マウス、捕獲した野生の肉食動物、水族館のオットセイまでも、急性胃拡張の呼び名で論文発表されている。


野生生物疾患ジャーナル 32 (3) 1995 pp. 548-551 野生生物疾患協会 1995
「北オットセイにおける捻転を伴う急性胃拡張」 S. フランカ. Jr. ローレンス. ダン. H J. ヴァンクライニンゲン. コネチカット大学病理生物学部 ノースイースタン野生生物研究所...

 




ペットの「食の安全」

月刊イグザミナの3月号には、このような記事が記載されました。

ペットフード安全法すなわち 「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」 今回の新法では、賞味期限、原産国、すべての原材料などの記載が義務付けられた。さらにペットフードに含まれる「カビ毒」「農薬」「重金属」「有害微生物」などの「使用に注意が必要な添加物」においては、残留値の基準が定められ、違反に対しては販売禁止、廃棄、回収、罰金を含む罰則も設けられている。また製造業者、輸入業者は、所轄官庁への届け出を義務付られた。これで、これまで野放し状態であったペットフードにも、安全管理の網がかかることになった。それだけに関係者の新法に対する見解はおおむね暫定的で、その実効性に期待が寄せられている。

また記事には、ある愛犬家が、
「これまでひどすぎた、新法成立は大きな進歩。今まで拘束力のある安全基準がなかったということ自体、おかしな話」

さらに、ある獣医師さんも
「これまで野放しをいいことにやりたい放題だった悪質業者が駆除されますから」などと、コメントしている。

たしかに今回できる新法の使い方次第で、悪質業者御用(学者)にできるかもしれません。しかし、厳密には今更このような新法に頼らなくても、愛犬家の認識次第で☆を御用に....?

例えば、強盗殺人をした犯人は、アリバイを作り、証拠隠滅をし、逃げきろうと努力します。御用になっても最初は偽証を繰り返し、「ハイ、私が悪ございました。人を殺し強盗をしました」などとは、なかなか認めませんが、しかし時間の問題でに....

毎年、日本・アメリカで、数万頭の愛犬達が鼓腸症でんでいます....





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ドライドッグフードと鼓腸症との関連性を勉強しています。

これらの情報を大切な愛犬の食餌管理にお役立てください。

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