起こるべくして起きるAGD/GDV

            ドライドッグフード製造~急性胃拡張・捻転発症へ
             
原材料(犬・猫の死骸及び、大豆の搾りカスなど産業廃棄物、)を細かく粉砕→水と混合→高度な加熱処理(何度も)→エクストルージョン→着色(その他、多量の添加物を含む)→冷却→包装→流通・販売→飼い主が購入→犬への常用。

これらの製品を飼い主に強要され食べ続ける犬は、容易に消化する炭水化物を栄養とし→胃内細菌叢クロストリジウムが増殖→細菌発酵と大量のガス産生(二酸化炭素・水素)→胃の機能不全によりゲップ及び嘔吐ができず→蓄積するガスで胃が膨張→AGDもしくはGDV発症→死。


agdzu.jpg
AGD(急性胃拡張)



agdzu2.jpg
GDV(胃拡張捻転)


米国および日本では、市販のドライドッグフード製品は告発されている・・・




また、GDVは、「大量に空気を飲み込むことにより(空気嚥下?)死に至る疾患・・・」と訴えるペットフード会社や、それらと関係を持つ一部の獣医師・獣医学者らも存在する。





参考文献

J,Am,Anim,Hosp,Assoc
10:294-324.1974 14:504-515.1978 14:618-623.1978 23:145-153.1987

THOMSON'S SPECIAL VETERINARY PATHOLOGY

Small Animal Clinical Nutrition 4th Edition

その他。







        
スポンサーサイト



ドライ(粉)ドッグフードの大量給与は危険

自然界に生息している哺乳動物が急性胃拡張AGDに罹ることはめったにないと言われている。野生肉食動物のオオカミは、好んで食べるシカやヘラジカなどの大型動物を群れで協力し合って襲い、狩りが成功すると大食漢ぶりを発揮し、1頭当たり9キロもの肉を食べる。また、小型の哺乳類や鳥やトカゲ、ヘビなどのほかに果実も食べることが知られているが、「腹部が膨張しAGDで死亡した」などということは聞いたことがない。

科学研究によれば、ドライ(粉)ドッグフードと、肉と骨の飼料を犬に食べさせて比較した場合、明確な違いが示された。論文にはこのように要約されている。以下抜粋すると、

食後の検査で、市販のドライドッグフードを日に1回給餌されていた犬の胃は他の3グループの犬のものより大きかった。そしてこの観察は、検視で判明したことと十分に相関していた。1日に必要な熱量の総量を1回の市販のドライドッグフードの食餌から摂取するように犬に要求するとき、結果として食後の胃の体積が大きなものとなる。

このことは、食後2時間で実施した剖検の際に測定した胃の内部の食物量とその重さがより大きな数値であったことが示している。また、食後2時間の時点で胃の湾曲の長さより大きな値であったことにも反映されている。

断続的に絶食させたのち満腹するまで食べさせたネズミの胃は、随時食べることのできたネズミの胃より大きく、重くなる。本研究では、毎日23時間絶食させられた後に市販のドライドッグフードを満腹するまで食べた犬の胃は、日に1回肉と骨の飼料を与えられた犬の胃や、どちらかの飼料を日に3回与えられた犬の胃よりも重かった。

映画透視検査法により、市販のドライドッグフードを日に1回給餌した場合、食後すぐに胃の拡大が起こっていたことがわかった。剖検から、その拡大が少なくとも食後2時間続いていたことがわかり、検視時の空の胃の重量測定により、胃組織に慢性的な変化が起こっていたことが示された。移動する節電性複合体と胃が空になることの間に、ある関連した変化が存在するのかもしれないという推定は合理的である。

犬の急性胃拡張は家畜により起こる病気であり、発症の頻度は、最も大切に飼われる純血種の犬において最も高く、自由に走り回り勝手に餌をあさる機会のある犬において最も低い。野生のイヌ科動物は、動物性蛋白質と粗質物(植物の繊維ではなく、動物の屍体の不消化もしくは消化困難な部分)に富み、炭水化物が少なく熱量密度が低いものを食べる。

それとは対照的に犬舎の中の飼い犬は、動物性蛋白質と粗質物が少なく、炭水化物が多くて熱量密度の高い餌を食べさせられるのである。さらに、市販用飼料は、材料を細かく挽き、過熱処理を施し、デキストリンを添加して「消化しやすく」、発酵しやすくして製造される。

そのような飼料のみを毎日1回ずつ与えられると、犬は大量に食べ、そして食後に水や胃の分泌物が加わった時に張れを起こす。これは、肉と骨の飼料を食べた後の消化の状態と対照的である。犬の胃が持つ消化能力により、後者の飼料の嵩は容易に減じるのである。

指摘しておくべきことは、胃が空になる速度は熱量密度に反比例するということであり、また正常な胃の運動にとって、消化しない粗質物の存在が重要であることは、数種の動物において明確に立証されてきた。反芻動物における粗質物の必須の役割は十分に証明されており、粗質物を奪われたニワトリの胃は拡張し、弛緩してしまう。

AGDで死亡した犬は、食後12~18時間経過してなお、しばしばその胃の中に食べたものが全て存在している。つまり、胃を空にする作用の遅れを示しているのである。本論文執筆者達に明らかとなったことは、市販のドライドッグフードを日に1回与えられた犬の胃が拡大し、重くなったことである。このことから、これらの胃がAGDに罹りやすくなっている胃であると示唆できるだろう。


また、この研究において、ドライドッグフードを日に1回与えられていた犬がAGDを発症して死亡した。


002450.jpg
図4 市販のドライドッグフードを日に1回の給餌法を実施したのち激しく膨れ上がった犬の胃の放射線写真



             「犬の胃機能に対する餌と給餌頻度の影響」
         アメリカ動物病院協会ジャーナル 1987年 第23巻





鼓腸症速報

            給餌後の腹部膨張に注意!

2000年2月14日~2009年6月27日までの間、各ブランド別に単一のドライドッグフードを一定期間給餌した結果、AGD(鼓腸症)の発症が起こっていないブランドは、

ユーカヌバ

アイムス

ブラックウッド

ANF

AGDの発症が起こったブランドは、

サイエンスダイエット(アダルトメンテナンス・グロース)       発症数39回

プロプラン                                  発症数 1回

キャネディ                                  発症数 1回

ロイヤルカナン(パピー・ジュニア)                   発症数 2回
 
※ロイヤルカナンのマキシアダルトでは約3年半、AGDの発症は無かった。

給餌している犬種

グレートデン、マスティフ、ナポリタンマスティフ、ボクサー、ラブラドール、ブルドッグ

2009年7月23日



       日本愛護クラブ設立準備室事務局





ドライ(粉)ドッグフードと細菌発酵

ドライ(粉)ドッグフードは細菌の餌?問題なのは、微粉砕された穀物や大豆の炭水化物。この成分が、細菌を増殖させ、ガスと短鎖脂肪酸の産生を導き、事件を起こす・・・

科学論文にはこう記されている、
これらの膨張型食品(ドライドッグフード)は、成分を粉砕し、水と混合してスープ様の硬さとした後、加熱し、押し出し形成(エクストルーダー)から着色、乾燥及び冷却によって調整されている。この工程で行われる前消化は炭水化物のデキストリン化、すなわち長鎖デンプンから短鎖デキストリン(オリゴ糖)への分解である。胃内のガス産生菌(クロストリジウム・パーフリンジェンス)は、単糖類や二糖類、オリゴ糖、すなわち消化しやすい炭水化物の分解産物を栄養として増殖する。・・・

「急性胃拡張:各動物種の類似点に関するレビュー及びイヌとサルにおける研究」
アメリカ動物病院協会ジャーナル 1974年 第10巻


また文献にもこう記されている、
吸収されなかった炭水化物の過度の発酵は、微生物の過剰増殖やガス(二酸化炭素、水素、メタン)や短鎖脂肪酸の産生を導く。炭水化物の過度の発酵は、鼓腸症、腹部膨満や下痢を引き起こすことがある。炭水化物の消化不良は、微生物発酵の結果、呼気中に増加する水素濃度(呼気中水素分析)を測定することによって知ることができる。・・・

小動物の臨床栄養学第4版

さらに科学論文には、
短鎖脂肪酸濃度が高まる事実により、AGDにおいて細菌発酵が起こっていることは確かに確認できた。AGDから回収された短鎖脂肪酸は、酢酸、ピロピオン酸、酪酸、及び乳酸である。それらは非常に多様な濃度で存在しており、乳酸は、正常な犬の中間値と比較して18倍も高くなっていた。AGDの犬の乳酸の中間値は、正常な犬の中間値の9倍であった。・・・

「犬の正常な胃における場合と急性胃拡張の場合の短鎖脂肪酸と細菌発酵」
アメリカ動物病院協会ジャーナル 1978年 第14巻


科学者は警鐘する、
穀物と大豆を含有する市販の飼料を食べた後でサル、マーモセット、ウサギやイヌはAGDを発症します。製造工程で穀物や大豆を細かく挽き、加熱することでそれらを 「消化しやすくする」 のですが、その結果、それらを与えられた動物にとって消化が容易になると同時に、動物の胃内に生きている細菌がより発酵しやすくなるのです。穀物をベースにし大豆を含んだドライフード製品は水と混ざり、すぐれた細菌学的培地となります。クロストリジウムとともに培養し体温に保てばガスが発生することは実験室でいつでも認識できます。大豆の炭水化物はわずかでも特に発酵性があります。・・・

H.J.ヴァンクライニンゲン博士  「宣言」 より
2006年1月4日









ドライドッグフード各ブランド別のGDV発症率

グリックマンが実施した5年間の予測研究(疫学)において使用されたデータに基づき 1592頭の犬について、およそ70種類のドライドッグフードが各ブランド別に比較された。GDV未発症グループは合計1488頭、GDV発症グループは合計104頭。指摘されている原材料に関係なくドライドッグフード全般のGDV発症率は6.5%の疫学的因果関係とも採れる数値が示されている。尚、グリックマンの研究は、捻転が確認されなかった急性胃拡張AGDの犬は、GDVではないと見なし省かれたとされる。また、下記のユーカヌバ及びアイムスについては我々のデータと相違する。

データ分析者 Lawrence T. Glickman

 ドッグフード                   対 象 犬               症 例 犬
                        1488頭     %          104頭     %     
        
アバディー                    4      0.3
エース・ハイミートベース&ライス       -                     1     1.0
アルポ                       1      0.1
エー・エヌ・エフ                  2      0.1
アンマール                    3      0.2
アンナメット・ウルトラ              1      0.1
オーソリーティー・各種             4      0.3            1      1.0
ラム&ライス                   3                               
その他                       1
アヴォ・ダーム                  5      0.3        
ベンチ&フィールド26              1      0.1            1     1.0
ベストインショー・パウダーフード       5      0.3
ビルジャック・各種               29      1.9            1      1.0
セレクト                      20                    1     1.0
パピー                       2
ライト                        2
その他                       5
ブラックウッド3000               2      0.1
ブルーシール・各種              15      1.0            1      1.0
ナチュラル                     3
ウルトラ                       2
ニッピンタック                   1
プラクティカル                   1
ラム&ライス                    -                     1
その他                       8
バックアイ                     3      0.2
カリフォルニアナチュラル            3      0.2             1     1.0
キャニデーメンテナンス             1      0.1
ケイナイン・アドバンスト・ニュートリション  2      0.1
ダッズミール                    7      0.5
ダイヤモンド各種                129     8.7             8     7.7
プレミアム                     36                    4
ニュートラ・ナゲッツ               25
ラム&ライス                   15                     1
アダルトメンテナンス              14
プロフッショナル                  6
その他                       33                    3
ディック・ヴァンパッテンズ            4      0.3
ダイナマイト                    4       0.3
イーグル各種                   58      3.9            4      3.8
ケンネルフォーミュラ               18                    1
ラム&ライス                    11  
メンテナンス                    7
プレミアム                      6
イーグルパピー                   2
その他                       14                     3
ユカヌバ各種                   79      5.3            7      6.7(我々のデータによると、このメーカーの製品ではGDVは起こっていない)
アダルトメンテナンス              29                     4
ラム&ライス                   21                     1
プレミアムパフォーマンス           11
パピー                       8                      1
低脂肪・ライト                   6                      1
フィッシュ&ポテト                3
シニア                       1
エクセル                      4       0.3            1     1.0
フリント・リバー・ランチ              9       0.6
フロム・フォースター・ニゥートゥリショナルズ 7      0.8              2    1.9
ジェネシス                      3      0.2
グリーンプロフェッショナルチョイス      12      0.8             1     1.0
ハイ・トール                    1       0.1
ヒルズサイエンスダイエット・各種       62      4.2            3      2.9
成犬用メンテナンス               38                     1
ラム&ライス                    5                     1
プリスクリプション                 4
ライト                         3
アクティブ                      1
グロース                       1
その他                       10
アイムズ・各種                 123      8.3            13   12.5
(このメーカーの製品も実際にはGDVは起こりにくい)
チャンク&ミニチャンク             97                     10
アダルトラム&ライス              16                      2
パピー                       3
その他                       7                      7
イノーヴァ・ナチュラ               15      1.0             1    1.0
イノヴェーティブ・ヴェテリナリー・ダイエット  -                      1    1.0
ジョイ                        14      0.9
K-9                         1       0.1            1    1.0
カスコ・各種                    19      1.3
ハイ・エネルギー                 6
メンテナンス                    5
その他                       8
ケン・エル・レーション              2       0.1
カークランド・バイ・コストコ           6       0.4
メープルリーフ                  -                       1    1.0
ナショナルトレーニングフォーミュラ      5       0.3
ナチュラルライフ・各種             34      2.3              2    1.9
ラマデーム                    21                      2
コンディション                   7
アダルト                      6
ネイチャーズ・レシピ・各種           35      2.4              4   3.8
ラム&ライス                   16                       2
パピー                       5
チキン&ライス                  3                       1
メンテナンス                    3
その他                       8                       1
ノーブル                      1       0.1
ニュートゥリ・ソース               1       0.1
ニュートロ・各種                209      14.0             7    6.7
ナチュラルチョイス・ラム&ライス       80
マックス                     49                       1
ナチュラルチョイス               34                       2
ナチュラルチョイスプラス           24                        4
オプティチョイス                 7
その他                      15
オル・ロイ・バイ・ウォールマート        3       0.2             1    1.0
オールドマザー・ハバート            3       0.2             1    1.0
ニューラ・ベイクド                10
その他                       3                      1
ペディグリー・各種               75       5.0             10   9.6
ミールタイム                   41
クランチーバイツ                16                       9
ラム&ライス                   8
パピー                       4                       1
その他                       6 
パーフェクトヘルスダイエット          3       0.2
パフォーマトリン                 2        0.1
ペットガード                    4        0.3
ピー・エム・アイ                 10       0.7             1    1.0
プレサイス・各種                27       1.8              1   1.0
ファンデーション                 17
アダルト                      4
センシィケア                   2
その他                       4                       1
プロマーク                     6       0.4
プロパック                    12       0.8
プロテインフォーミュラズ            9
アダルト                      3
プロプラン・バイ・ピューリナ・各種     134       9.0              8   7.7
アダルト                     40                        3
ターキー&バーリー              32                        2
チキン&ライス                 29
パフォーマンスフォーミュラ          12                       1
パピー                      10
ラム&ライス                   6                       1
ビーフ&ライス                  3
ライト                        2                       1
ピィリーナ・各種                 63       4.2             5    4.8
ピィリーナ・ワン                 16                        2
ワン・ラム&ライス               11
ハイ・プロ                    13
ドック・チャウ                  14                       3
パピー・チャウ                  6
フィット&トリム                  1
その他                       2
クオリティーケア・各種             23       1.5             1    1.0
プラス                       12
パフォーマンス                  3
アダルト                      3
その他                       6
リーガル・センシィバイツ             1       0.1            1     1.0
ロイヤルカナン                  2        0.1
サムズクラブ・スポーツマンズチョイス・各種40       2.7            3     2.9
スポーツマンズチョイス             12                     1
プロフェッショナルフーミュラ          12                     2
エクシード                     5
ハイ・プロテイン                  4
メンテナンス                    7
センシィブルチョイス・各種           40        2.7           1    1.0
アダルトラム&ライス              15                      1
アダルト                      14
チキン&ライス                   6
ライト                         4
その他                        1
ショー・コート                    1        0.1
シューゲイン                    6        0.4           2    1.9
シリウス                       2        0.1
ソリッドゴールド・各種              27        1.8           3    2.9
フント・エヌ・フロッケン              19                     3
ソリッドゴールド(フォーミュラの識別無)    8
トライアンフ                     1        0.1
ビゴートーン                     2        0.1
ワルサム                      4         0.3
ウェイン・各種                   8         0.5
チャンク                       4
ミニチャンク                     4
ワイソング                     16        1.1
その他すべて                   38        2.6           4    3.8

             
ドライドッグフードの給餌は6.5%の確率で捻転を伴った急性胃拡張(胃拡張・捻転症候群)の危険性が存在する。


     

書籍

プロフィール

わんわんわん

Author:わんわんわん
ドライドッグフードと鼓腸症との関連性を勉強しています。

これらの情報を大切な愛犬の食餌管理にお役立てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード