鼓腸症

愛犬の胃が!腸が!・・・

マークモーリス研究所の小動物の臨床栄養学第4版によると、
「大豆は有害なガスを産生し消化異常、例えば、鼓腸症を引き起こす・・・。」
と、明記されている。

そして、大豆を含有するドライドッグフードの強制給餌(強要)により、次々と鼓腸症の犠牲となっている・・・。

ダッジ
ドライドッグフード(原材料に大豆を含有する)を給餌後、腹部が膨張し苦しみだしたマスティフ。
動物病院へ搬送、到着直後の様子。

【発症犬の数】
米国では年間、約4万頭~6万頭もの犬が発症しているとの報告がある。

【鼓腸】
鼓腸(症)とは、胃、十二指腸、小腸及び大腸を含む消化器官にガスが過剰に蓄積した状態のこと。また、このガスを医学用語で鼓腸ガスと呼ぶ場合もある。

【犬を殺すガス】
ガスの産生はクロストリジウム・パーフリンジェンス菌の発酵によるものとされ、これらバクテリアの増殖を可能にする発酵基質(大豆を含有するドライフード)の存在がある。ガスの組成としては、健常な犬と比較して、高濃度の二酸化炭素・水素・乳酸値の上昇が確認されている。水素は炭水化物吸収不良の指標とされる。大豆は動物の消化不良を起こすことが報告されており、犬や猫は大豆成分を消化する酵素が欠如している。

【不快な鼓腸】
腹鳴、放屁は肛門からガスが放出されたもの。その他、下痢や血便を伴う場合がある。

【危険な鼓腸】
犬の鼓腸症(事件)は、有害なガス(二酸化炭素・水素)で胃が膨張した症状のこと。合併症として胃捻転や胃の破裂を伴う場合がある。胃内部は大量のガス、泡状で茶褐色の液体、未消化のふやけたドライフード、粘液が確認される。しばしば十二指腸及び小腸全体も拡張している。この疾患のことを、捻転、胃捻転、あるいは腸捻転、とも呼ばれているが、医学用語で、急性胃拡張AGD、胃拡張捻転(症候群)GDVと言う。早期に発見し治療しないと致命的。

【フードの変更】
栄養学的には、「食物の蛋白質あるいは炭水化物の原料を変更することは有効」とされ、「トウモロコシ、チキン、大豆を含有する市販のドライフードから、ラム&ライスのドライフードへの変更が役立つ」とも言われている。

【必須対策】
惨劇は続いている。トウモロコシや大豆などの産業廃棄物(その他、殺処分された犬や猫)を主原料としたドライ製品を与えられている犬は、鼓腸症を引き起こし死亡する危険性があるので、食後よく観察すると同時に、突然の発生に備え、動物病院への搬送及び緊急処置の対応を獣医師に準備しておいてもらう必要があるでしょう。


AGD.





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鼓腸症.

<review3.>

下記の記事は、1975年ころ、アメリカで広く読まれていた出版物です。犬の鼓腸症に関することが書かれています。以前にも少し触れていますが、ここにその全文を紹介しておきます。





                        BLOAT

この記事は、ジャッキー・シンキンソンを通じて、ジョイス・グランドルから私に送られてきました。きっと皆さん興味を持たれることと思います。

以下の記事は、「ラブ オーナーズ ブレティン」1,2月号に記載されました(もとは、カリフォルニア州ラメーサにあるソリッドゴールド・ケンネルズ社のS・マックジルによって集めらた情報です)。この記事は、「犬鼓腸症」すなわち犬の急性胃拡張という、近ごろ急速に犬を脅かしてきている重大な病気について書かれたものです。

「ウチの犬は鼓腸症になりませんよ。」とは言っていられません。その病気はどんな犬種のどんな年齢にも起こりうるのです。どうぞ続きを読んで下さい。

1974年に、コネチカット大学の病理学教授で獣医学博士のH.J.ヴァンクライニンゲン氏は、犬の鼓腸症の原因に関する6年半の研究成果を発表しました。この研究は、コネチカット州政府から資金提供をされました。「鼓腸症はただちに手当をされないと犬がショック状態となりその後すぐに死んでしまう緊急を要する病気です。私自身、鼓腸症で3匹の犬を亡くしています」

ヴァンクライニンゲン博士は、アメリカでは毎年36.000頭の犬が鼓腸症で死んでいると言います。「私のグレートデンはみな、鼓腸症の症状が出てから10分以内に急いで獣医師のところに運ばれましたが3匹とも亡くなってしまいました。私のある友人は、彼女のグレートデンに300ドルの鼓腸症手術を受けました。犬はいったん回復しましたが、3日後再び胃が膨張し、獣医師のところに着く前に亡くなりました。犬を亡くした友人の元に残ったものは未払いの300ドルの請求書だけでした。ですからこの病気にかかってすぐ獣医師のもとに駆け付けたとしても犬が生き延びる保証はどこにもありません」

あるサンディエゴの獣医師は、彼の診療所で1ヶ月に37件もの鼓腸症の犬を治療したと言っていました。その病気はかつては大型犬のみがかかるものと思われていました。しかし今では、ダックスフンド、ビーグル、ブルドッグや他の小型犬にも発症し、猫までもがかかった例があります。

ヴァンクライニンゲン博士は、犬鼓腸症の世界的権威です。博士は餌がこの病気の原因だと言います。「犬の急性胃拡張は、胃に棲むバクテリアによって食べ物の成分が急激に発酵し、二酸化炭素や水素などのガスを大量に発生させることによって起こります」

鼓腸症を引き起こす食べ物は、大豆が主原料の、濡れると膨らむドライタイプの餌です。博士はまた次のように言っています。「いくつもの工程を経て加工されたこの種の穀物、大豆製品だけを継続的に摂取することによりバクテリアが鼓腸症を起こしやすくすると考えられます」

博士はさらにこう続けます。「大豆を主原料とした餌を与え続けることによって断続的な嘔吐や胃の捻転が起き、時には胃に穴があくこともあります。それで犬が死なないとしても、次には、胃への血液供給が滞り、呼吸困難と胃腸からの血流が心臓へ戻る経路が閉ざされるため間もなく死亡します」

ヴァンクライニンゲン博士は、「アメリカ グレートデン クラブ」において講演を行ってきました。またニューヨーク市では国内の多くの獣医師団体を対象に講演を行ってきました。博士は6月に行われたモーリス動物基金の講演会(犬鼓腸症のパネルディスカッション)では、特別ゲストとして次のような話をしました。

昨年夏、私はレンタカーを借りて、行く先々でグレートデンを見ながらヨーロッパ中を旅して回りました。私が300~400匹以上のグレートデンのブリーダー達と鼓腸症について尋ねたところ、彼らは何も知りませんでした。たった一人その病気のことを聞いたことがあるというブリーダーがいましたが、彼は、「でも、犬は鼓腸症で死にませんよ。」とあっさり言いました。

実際のところ、アメリカでは、鼓腸症で犬が死んでいますし、しかもその数は増えてきているのです。この病気は15年位前は問題になってなかったようです。40年来ブリーダーをやっている人達は、1960年代になるまでこの病気はあまりなかったと言います。しかし、60年代になると問題視されるようになり、70年代には彼ら犬達にとって脅威となりました。

ヨーロッパではブリーダーは、キブルと呼ばれる、水にふやかして与えるドライフードを使いません。彼らはフレーク状か小粒のものを使います。彼らは乾燥したままのフードに時々肉やカッテージチーズを混ぜて与えます。どちらも成分はほとんど同じです。彼らは大豆を使いません。原材料は小麦、トウモロコシ、オート麦、ふすま、米、醸造用イーストで、大豆は含まれていません。

アルファルファ(草の一種)も、人工着色料も、人工保存料も、膨張するキブルも使わないので、したがって、鼓腸症もありません。私は全ての犬舎から餌のサンプルをもらい、様々な例を調べることができるように保存しています。私は帰りにドイツのフランクフルト空港で、スーツケースの中にドッグフードを詰め込みたかったので、ドレスを3枚とパンツスーツ1着とブーツ1足を捨ててきました。

ロスアンゼルスに着いてルフトハンザ航空のカウンターの税関を通る時、そのドッグフードの多くが検査のために台無しになってしまいました。なぜなら係官は私が何かをドッグフードの中に入れて密輸しようとしていると思ったからです。アメリカのグレートデンは、もし鼓腸症にかかって死なないならば通常7歳くらいまで生きます。一方ドイツのグレートデンは大体13歳か14歳まで生きます。

アメリカにもどると私は国内のあらゆるドッグフード会社にヨーロッパから持ち帰ったドッグフードのサンプルを送りました。どの会社も興味を示しませんでした。一社だけがわざわざ私に断わりの返事をくれました。彼らは現在7種類のドッグフードを製造しており、新たにドッグフードを作るつもりはないとのことでした。

ドッグフード業界は昨年36億ドルの売り上げがありました。大豆の値段は肉の蛋白質の3分の1です。ですからもし昨年36.000匹の犬が鼓腸症で死んだとしたらどういうことになるでしょう。それはお金だけ盗って逃げるようなものです。

私はまた、独自製法のだしを使っていますと宣伝しているようなドッグフードには本当は精製砂糖を使ったキャラメル色素が入っているということがわかりました。それらは犬の歯に粘着して虫歯を作ります。

私は自分の犬に与えるのに大豆を使っていないドッグフードを探しました。以下のドッグフードは原材料の中に大豆を含んでいるものです。

ピュリナ チャンクワゴン(ブリーダーズチョイス、極上)
ピュリナ ビーフ&エッグ(フェドマート 黄袋)
ピュリナ ドッグチャウ (フェドマート 赤袋 独自のだし入り)
ピュリナ パピーチャウ (ゲインズ グレイビートレイン)
ピュリナ 高蛋白質   (ここで言う蛋白質とは大豆を多く含んでいるということ、ゲインズミール、スキッピー)
ピュリナ レバー味 ドッグチャウ (ウェイン)
カルカン        (全タイプ ミールタイプなど、フリスキー全タイプ)
サイエンスダイエット  (全タイプ、アルファベータ、テイスティビッツ)
フォーメックス     (キャスコ)

私は大豆を使っていないドッグフードを見つけることができませんでした。そこで私は、今後一生、米とオートミールを炊いて餌を作るか、ドイツの製法に基づいて大豆や膨張するキブルを使わないドッグフードを自分で製造するか、どちらかの選択しかないと決意したのです。

私は17社に手紙を書きました。それらの会社は希望に応じて様々な材料でドッグフードを作ってくれる個人企業でした。しかし彼らに頼むには最低でも50ポンド(約23㎏)入りの袋で1.000個の注文が必要でした。となると私が払う保管料は恐ろしく高いものになってしまいます。

私は紙袋の製造会社にも電話しました。そこの最小注文数は55.000枚で27.000ドルということでした。仕方なく私は、何か他の方法を探すことにしました。犬は私の仕事ではなく趣味ですからそんなにお金を使うわけにはいきません。私はサンフランシスコにあるカリフォルニア州ペットフード局長に頻繁に電話しました。

ペットフードに関する全ての出願は、食品医薬品局に提出する前に局長の承認を得なくてはなりません。彼は5月にミネアポリスのペットフード会議に行ったということでした。その会場では彼は、ペットフード会社のピュリナ社から来た人達に鼓腸症について聞きましたが、彼らは、鼓腸症は問題でなないと思っているそうです。

彼らによれば、鼓腸症になるには飼い主の餌やりが不注意なだけだ(すなわち餌)ということです。しかし、かつてアメリカ国内のコンテストで優勝したオスのデンは6月に鼓腸症で死にました。メスの1位になったデンも7月に鼓腸症で死んでいます。8月には当時4位のデンが鼓腸症で死んでいます。今年の春には1973年のオスのジャーマンシェパードで最優秀の犬がやはり鼓腸症で亡くなっています。

彼らの飼い主は、私同様きっと注意深く犬の世話をしていたことと思います。私はいつも細心の注意を払ってキブルを30分間水に浸してから犬にあげていました。犬は食前1時間と、食後2時間は休ませました。それでも彼らは鼓腸症にかかりました。それは鼓腸症の情報を得る前の話ですが、その当時でさえ、私は水でふやかしたキブルが乾燥時の3倍の量になることくらいは知っていました。私はペットフード業界は多くの弁解の必要があると思います。彼らは原材料を変える気も利益を減らす気もないのです。



※犬の鼓腸症は、「発酵性を有する市販のドライドックフードが引き起こす事件」もしくは、「起こるべくして起こる事故」と言っても過言ではありません。また、ドライフードを水でふやかして与える給餌法はさらに危険性を高めるので注意しましょう。


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