ガスを産生する蠢く細菌....

<罹患犬と証人>
ドライドッグフードを給餌後、腹部が膨張し苦しみだした犬と、その惨状を目撃している飼い主。

<病名及びメカニズム>
犬の急性胃拡張(AGD)、胃拡張捻転症候群(GDV)、またの名は、鼓腸症。
増殖した細菌における胃のガス膨張(捻転を伴っていようがいまいが)。

あるいは、胃の膨張は空気嚥下すなわち、「空気を飲み込み過ぎてGDVに罹り死亡する」などといった説もある。

<細菌>
クロストリジウム・パーフリンジェンス(別名ウエルシュ菌)
Clostridium perfringens

<発酵基質>
与えた食餌すなわち、発酵成分を含む市販のドライドッグフード。特に、大豆を含有するもの。

<胃内ガス>
高濃度の二酸化炭素及び水素

<文献>
アメリカ動物病院協会ジャーナル
J Am Anim Hosp.Assoc.1974. '78. '78. '79. '87

特別獣医病理学(獣医病理学教科書)
THOMSON'S SPECIL VETERINARY PATHOLOGY
Acute gastric dilatation constitutes a major cause of death in many large breeds of dogs and occurs after con-sumption of a large meal,suggesting that diet of engorge-ment is causative. Dogs fed a commercial dry product oncedaily develop larger stomachs that contain a greater feed residue hours after eating.Commercial dry dog food prod-ucts that contain readily digestible and fermentable ingre-dients have been incriminated.

<専門家の意見>
手術をした獣医師         「原因は!」
獣医病理学者           「AGDはドッグフードによる副作用!」
別の獣医師            「胃の中がこんなことになっています?!」
ペットフード屋の獣医師     「原因は空気である・・・。」

※食後ペットに異常があれば直ちに獣医師に診てもらいましよう。




映像診断AGD
    愛犬家の病理学ノート








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ドックフードと犬の病気

愛犬を苦しめるこれらの病気に心当たりありませんか?

アレルギー歯科疾患腎疾患胃腸疾患(鼓腸症)尿路結石甲状腺疾患、糖尿病、インスリン分泌腫瘍、肝・胆道系疾患、副腎皮質機能低下症、副腎皮質機能亢進症、発育期外科疾患、先端巨大症、尿崩症、脂質代謝の疾患、肥満、心臓血管系の疾患、その他の疾患



■米国及び日本の獣医師は、疾患の多くは市販のペットフードが原因である!・・・。




参考文献

小動物の臨床栄養学第4版

事件番号07-21221







食餌中の可溶性炭水化物と添加物の過剰摂取は癌に・・・

発がん性を有する市販のドライドックフードを愛犬に与え続けていたら、癌に罹っていた。

2,000以上の剖検例で死因を特定した研究によれば、10歳例以上の犬のうち45%が癌で死亡している。症例全体ではその23%が癌で死亡していた。ペット全体の中の癌の発生率も増加している。

キーポイント 癌
炭水化物を多く含む食餌は乳酸産生の総量を増やし、動物は乳酸からブドウ糖への変換のために不適切にエネルギーを多く使うことになる。この代謝経路は癌を持つ動物において長期にわたる有害な影響をもたらす。

主要栄養因子
炭水化物は末梢インスリン抵抗性のために利用されないことが多い。高濃度に炭水化物を添加すると、高血糖、糖尿、高浸透圧、腎機能異常と呼吸不全が発現することもある。癌患者では、蛋白質由来カロリーが30%未満で炭水化物由来カロリーが40%を超えるものは避けるべきである。

多くのペットは、しばしば至適レベルよりも高い可溶性炭水化物(乾物で50%超)、低脂肪(乾物で20%未満)、蛋白質(乾物で25~40%)の市販のドライフードを食べている。


マークモリース研究所
小動物の臨床栄養学第4版より







歯科疾患.

あなたの愛犬の歯は、茶色くなっていませんか?グラグラと動きませんか?

歯周疾患は、しばしば発見されないまま進行することがある。進行した病態でも犬や猫が不快感をほとんど示さないこともある。

口腔内の解剖
口腔内はいろいろな機能を持っている。口腔は消化管と呼吸器疾患の入口である。唾液は口腔内を潤わせ、咀嚼や嚥下を助ける。唾液は抗菌性があり、細菌の侵入から口腔内組織を保護する助けとなる。唾液の蒸発により体熱を放散させる。歯と舌は咀嚼、グルーミング、防衛、行動に重要である。犬や猫の歯はそれぞれ特殊な機能を持っている。切歯で物をつかんだり噛んだりする。犬歯は物を捕らえたり刺したりする場合に用いられる。前臼歯と後臼歯は物を切断し、すりつぶし、咀嚼する時に用いられる。上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯からなる裂肉歯は、咀嚼行動の基本となる歯である。犬と猫の大きさは異なるが、全ての歯の形態と機能、構造と成分は同様である。

歯周疾患の発生率
歯周疾患は犬と猫の成熟動物で最も頻発する疾患で、いろいろな種、系統、年齢で観察され、発生率に関する各国における調査では、調査された全ての犬と猫の個体数の60~80%であることが報告されている。米国各地の54件の動物病院で行った予備調査結果では、全ての年齢を含む39,556頭の犬と13,924頭の猫で最も頻繁に診断される疾患は口腔内疾患であることが示唆された。

口腔内の疾患状態
原発性口腔内疾患は、大きく分けて、歯をおかす病態、歯周組織をおかす病態、他の口腔内組織をおかす病態がある。主に歯がおかされる障害は、摩耗、咬耗、齲蝕、内因性着色、破歯細胞性吸収、破折、歯髄炎。主に歯周組織・口腔粘膜がおかされる障害は、歯肉炎、歯周炎、歯肉過形成、根尖周囲腫瘍、歯肉口内炎、腫瘍、化学性あるいは温熱性損傷、潰瘍。

危険因子
歯周疾患を引き起こす主因は細菌性プラークと細菌の代謝物である。犬や猫の縁上および縁下プラーク中細菌の特性を明らかにした研究が報告されている。臨床的に健康な歯肉を持つ犬の縁上プラークは主としてグラム陽性好気性細菌によって構成される。プラークが成熟すると、細菌はグラム陰性嫌気性細菌が優位となる。歯周疾患に伴う炎症と組織破壊は、歯周組織への細菌とその代謝産物の直接作用と、宿主の免疫反応の間接作用によるものである。このため、細菌性プラークは歯周疾患の発生の最も重要な物質といえる。白質は唾液の蛋白質、細菌、脱落上皮細胞、白血球片などの軟らかい混合物である。歯石はプラークが石炭化したものである。着色(後天性の歯芽着色「外因性着色」)は、はじめにペリクルが着色し、一部が石炭化することによって発現し、さらに、ペリクル、プラーク、歯石が積層する。また、種種の栄養、化学的因子と細菌が着色を引き起こす。

栄養と食餌の特性として、野生イヌ科およびネコ科動物の自然環境での獲物と比較して市販されている犬用あるいは猫用のフードの形状が劇的に変化することが、飼育されている犬や猫の歯周疾患の程度に関係していることはしばしば取り沙汰されている。

歯周疾患の全身性合併症
歯周疾患は全身性合併症を発症させやすくすることがある。ヒトでは、歯周疾患が:1)心臓疾患の危険因子として認識され、2)肺への感染や脳梗塞を誘発すること、また、最近の報告では、3)低体重児出産に関係することが報告されている。犬では、慢性歯周疾患と、心臓弁と気道から肺がおかされる病態とに関係があることが多くの報告で推測される。DeBowesらは、重度の歯周疾患と、腎臓、心臓、肝臓の病理組織学的変化との間に関係があることを報告している。歯周組織の感染によって細菌はリンパ管、血管に侵入し、菌血症を引き起こす。

歯周疾患の病態発生における宿主と細菌の関係
歯周疾患は劇的な組織の破壊とそれに続く治癒期と休止期が周期的に繰り返される。歯周疾患の病態発生は4期に分けられ、:1)細菌のコロニー形成期。唾液によるペリクルがエナメル質表面に蓄積し、口腔内細菌がすぐにコロニーを形成し、プラークの形成によって増大する、2)細菌の侵入期。プラーク内細菌とその代謝物は歯肉組織に侵入し、宿主の炎症反応を引き起こし始める、3)組織の破壊期。細菌とその代謝物による直接毒性と、宿主を介した間接的な毒性反応が歯周組織の破壊をもたらす、4)治癒期。疾患の消退期は炎症反応の消退と歯肉の治癒が見られる。

自然の食餌
初期の文献では、野生イヌ科動物とネコ科動物が食べる食餌にはプラークの蓄積を遅延させる効果があり、家畜化された個体に見られるような口腔内全体の歯周疾患に罹患しにくいと報告されている。ペットフードの市販化がしばしば家畜化された犬や猫の歯周疾患発生率の増加とその進行に関係する因子として言及されている。野生イヌ科、ネコ科動物の食餌は棲息する場所、環境、個々の狩猟能力による。しかし、その自然の食餌とは、通常、オオカミやコヨーテなどの食餌となる小型齧歯類や小型哺乳類であった。Coylerは「動物が歯で引き裂かなければならないもの」と言及している。しかし、特に、野生イヌ科動物は、おそらく果物や野菜、血液、腸、筋肉、軟骨、骨髄、骨などがついている肉片を食べていると思われる。






参考文献

小動物の臨床栄養学第4版

DeBowes LJ, Mosier D, Logan EI,et al. Association of periodontal disease and histologic lesions in multipe organs from 45 dogs. Journal of Veteeinary Detistry 1996;13:57-60.

Gray H. Pyorrhoea in the dog. Veterinary Record 1923;10:167-169

Colyer F. Periodontal disease. In:Miles AEW,Grigson C,eds.Coly's Variations and Diseases of the Teeth of Animals,revised ed.Cambeidgs,UK:Cambridge University Press, 1990;543-550

Watoson ADJ. Diet and perodontal diserse in dogs and cats.Australian Veterinary Journal 1994;71:313-318

Colyer F.Dental disease in animals.British Dwntal Journal 1947;82:31-35.








腎疾患.

総合栄養食から総合病気食へ名称の変更を!


                   今日もどこかでARF


犬では、癌を除くと腎疾患が最も多い死亡原因となっている。腎不全でよく認められる一般症状は、食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少などの有無。急性腎不全(ARF)は腎機能の急激な悪化により腎臓が水分と溶質の平衡を制御できなくなり、高窒素血症を起こした状態である。

慢性腎疾患の進行段階

正常腎機能→腎予備力の喪失→腎機能不全→高窒素血圧→尿毒症→

どの程度の腎障害が起こると不可逆性の進行が始まるかはわかっていない。専門家の多くはできるだけ早い段階で腎機能不全を検出して治療を開始することを勧めているが、中には尿毒症が現れるまで治療は延期すべきだと唱えている学者もいる。

病理発生メカニズム

1.糸球体毛細血管と糸球体濾過過剰、2.腎臓のアンモニア生成亢進、3.腎臓の酸素消費量の増加、4.リンの貯留と上皮小体機能亢進症、5.腎臓の代償性肥大、6.高血圧、7.代謝性アシドーシス、8.尿細管間質の変化、9.脂質代謝の異常、10.腎臓の老化による影響、11.アミロイド症、12.急性腎不全、13.不適切な尿濃縮。

主要栄養因子

水         常に十分な水を飲めるようにしておく。
リン        食餌中リンの過剰摂取を避ける。
蛋白質      食餌中蛋白の過剰摂取を避ける。
ナトリウムおよび
クロール     食餌中ナトリウム過剰摂取を避ける。
酸負荷      食餌中酸の過剰摂取を避ける。
エネルギー   非蛋白カロリーの形で十分量なエネルギーを摂取させる。
カリウム
低カリウム血症 カリウム含量の高い食餌に変更。
高カリウム血症 カリウム含量の低い食餌に変更。

市販ペットフードにはリン、蛋白質、ナトリウム、クロール、およびカリウムを過剰に含んでいる。腎疾患のある犬に与え続けると危険。


肉類の鶏、七面鳥、アヒル、牛、羊、豚、馬、兎、鹿、魚類における一般的な蛋白源の栄養素組成では、水分含量が高く、動物性蛋白質を豊富に含んでいる。肉食動物にとって最高の食物である。


参考文献

小動物の臨床栄養学第4版

事件番号07-21221










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ドライドッグフードと鼓腸症との関連性を勉強しています。

これらの情報を大切な愛犬の食餌管理にお役立てください。

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