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市販のドライドッグフードが引き起こす、急性胃拡張



飼い主(人)には便利なドライドッグフード。しかし、犬には危険なモノ(食物ではない)となる。これらの製品を主食として与え続ける(強要)のは、虐待と同じである。 

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図4-市販のドライドッグフード(大豆を含むピュリナ・ドッグチャウ)を日に1回の給餌法を実施したのち激しく膨れあがった犬(アイリッシュセッター)の胃の放射線写真


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写真4-捻転を伴わない急性胃拡張の典型的なレントゲン写真(下)と、写真3-胃内容排出後の同一の犬(上)


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写真2-胃内の2つの気泡のレントゲン写真、間に明確な境界線がある(捻転を伴った急性胃拡張を示す)。



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図5-急性胃拡張発症過程概略図

1 適量の餌を日に数回与えられている犬の正常に均整のとれた胃(黒く塗った部分)

2 市販のドライドッグフードを日に1回与えられた結果慢性的に拡大した胃

3 慢性的に拡大して元に戻ることができなくなった胃は、機能が混乱をきたしており、食後に前駆症状を見せることがある

4a 急性胃拡張

4b 捻転を伴う急性胃拡張


上記の化学物質(ドライドッグフードのこと)を与え続けると、鼓腸症(急性胃拡張(AGD)もしくは胃拡張捻転(GDV))を引き起こすことが、科学的にも確認されている。

また、GDVの原因(胃の膨張及び捻転)として空気嚥下すなわち、「空気の飲み込みで死に到る・・・」などと吹く、ペットフード会社や一部の獣医師らの存在がある。したがって、空気にも注意しよう。



References

Van Kruiningen HJ, Wojan LD, Stake PE, et al. The influence of diet and feeding frequency on gastric function in dog. JAAHA 1987; 23:145-153.

Jordan R Dann, Medical and sugical treatment of canine acute gastric dilatation JAAHA 1976; 12:17-22.

小動物の臨床栄養学第4版











鼓腸症と細菌



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胃;イヌ、急性胃拡張。胃は摂食物とガスで膨張しており、赤色から紫色である。他の腹部臓器の位置を著しく変位させている。肺の虚脱に注意。



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図3-対照イヌ(S7099)のグラム染色した胃内容物
図4-自然発症したAGDのイヌ(S3456)のグラム染色した胃内容物。多くのグラム陽性桿菌に注意すること。
図5-自然発症したAGDのサル(S5007)のグラム染色した胃内容物。多くのグラム陽性桿菌に注意すること。

上記の画像は、AGDを発症したイヌの検死解剖15症例中14例の胃内容物から検出された細菌、クロストリジウム・パーフリンジェンスを示す。




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図6-実験的に誘発したAGDのイヌ(実験用イヌ番号6)のグラム染色した胃内容物。多くのグラム陽性桿菌に注意。   

またこれについても、同様の細菌が検出、特定されている。




Dr.Van Kruiningen HJ 論文より















全ては計算されている?

「ヒトが食べられるドッグフード・・・」最近、このような宣伝を耳にするようになりました。まあ食べると言ってもちょっとかじる程度だと思うのですが「この餌は死にません!」という自信のあることがわかります。これに対し、大手ペットフードメーカーはそんなことをうかつに言ったりはしません。彼らはヒトが食べられる代物ではないことを熟知しているからです。つまり、自社製品に対して安全性を示す科学的根拠が無いためパッケージには「安全」とか「安心」などという表現も控えめにしているのがその証拠です。その代り、総合栄養食とか?AAFCOとか?ペットフード公正取引協議会?などの他素晴らしい能書きの数々?まるでおとぎ話のような内容に思わず噴き出しそうになりますが、専門知識のない飼い主たちはこのような戯言を「安心できる」と誤認してしまうのです。確かに、ドライ製品の便利さは認めますが、よく考えて下さい、ある一定の食餌と水だけで生涯健康を維持できる?それが事実であればその製品を開発した人はノーベル賞モンです。そもそもヒトの食品ですらそんな優れたモノはないのです。逆に米国の獣医師はこう警鐘しています「ゴミが入ってゴミが出てくる」「多くの疾患は商用フードによるものだ」


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     大豆?今度はポップコーンかもよ?


肉食獣であるイヌの主食は肉です。ところが、ペットフード業界には栄養学というものがあり、彼らの商売繁盛に貢献しています。この学問にかかるとイヌは雑食動物に区別されてしまうのです。そして、大豆のカスやトウモロコシの粉が「優れた穀物」と言い換えることができ原材料に利用されドッグフードに化けます。製品には動物性脂肪や何種類もの化学物質が添加されています。空腹のイヌは好きな匂いを付けられていると、直に食べてしまいます。このような食餌を毎日与え続けると、身体は次第に蝕まれ様々な病気へと進行しますが飼い主は気付きません。ある日、イヌの異常を目の当たりにしたときには、既に手遅れで何らかの病気に罹っています。不審に思った飼い主はドッグフードに疑いを持ちメーカーに文句を言いますがクレーム処理係の獣医師に誤魔化され泣き寝入りを余儀なくさせられます。これが実態。しかし、メーカーは自社製品をイヌに食べさせ続けるとどんな病気を引き起こすのかを知っています。ある書籍にはその内容が克明に書かれており、この餌でこの病気が起こったらこっちの餌への変更を指示するなど、ペットの栄養管理に関する実践法がマニュアル的に組み込まれているのです。つまり、イヌの病気も死もこれらのリスクは最初から想定されているのです。しかし、飼い主が被った経済的損失と精神的苦痛は無視されます・・・。



              エゲツナイキオツケテ・・・






市販ペットフードの普及・GDVの症例数

                        はじめに

1996年の報告によると、米国には5,490万頭の犬と6,580万頭の猫が飼育されている。よって、全ての世帯の37,6%が少なくとも1頭の犬を、32,9%が1頭の猫を飼育していることになる。米国のほとんどのペットの飼い主は市販のペットフードを毎日給餌している。

1995年には米国におけるペットフードの売り上げは93億ドルと報告され、これは前年より6%上昇していた。1986年当時、米国におけるペットフード販売高は51億ドルあり、このように米国におけるペットフードの販売高は過去10年間に顕著に増大した。

ヨーロッパとアジア各国もこの市販ペットフードを利用するという時流に乗っている。北米でのペットフード市場は世界で最も大きく、ついでヨーロッパ、アジアと追随している。例えば英国では、90%のペットの飼い主が1週間に一度以上は市販ペットフードを購入している。1992年におけるペットフードの総売り上げはヨーロッパで105億ドルで、アジアでは43億ドルであった。

               米国におけるペットフード製造の歴史

最初に市販されたペットフードは1860年に英国在中の米国人である James Spratt によって作られた。Spratt はドライの “犬用ケーキ” すなわちペレットを開発し、英国の猟犬係りの人々に販売した。Spratt の米国における会社は1950年代後半に Genral Mills 社に買収されるまで、ペットフードの製造を続けた。

ドライペットフード製造の近代は1957年に始まり、ミズーリ州セントルイスにあるラルストン・ピュリナ社ドッグチャウ、キャトチャウと呼ばれた最初のエクストルージョン加工によるドッグならびにキャットフードを紹介する1960年まで続いた。

市販のペットフードの売上は1970年代から現在に至るまで持続的に成長を遂げ、その間、ウエット、セミモイスト、ソフトドライならびにドライフード、トリーツ、飲料品や食べられるおもちゃに至るまで多くの新製品が毎年市場に紹介された。

                 GDV(胃拡張・稔転)の症例数

米国ではGDVの症例数が年間、4万頭から6万頭が罹患すると推定される。GDVは、死亡した軍用犬の解剖所見において、3,4%に認められた。インディアナ州ウエストラファイエットのパデュー大学の獣医学データベースによれば、獣医学教育病院に来院したGDVの症例数は、1964年から1974年までに1,500%の増加を示した。      

小動物の臨床栄養学第4版より抜粋








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ドライドッグフードと鼓腸症との関連性を勉強しています。

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